nijiken

ロックバンドRainbowを研究するブログとしてスタートしましたが、幅広い話題を取り上げたいと考え、ブログタイトルを変更しました。

リッチー・ブラックモアとドラマー

リッチー・ブラックモアは他のメンバーに対する要求が厳しい事で有名です。プレイがダメだとすぐにクビを言い渡す程のイメージですが、実際にはどうだったのでしょうか?

 

歴代で、リッチーがお気に入りのドラマーといえば、やっぱりイアン・ペイスですね。お茶を飲みながらでもリズムが狂わなかったとか。(再結成DPの「Slaves and Masters」ではリッチーやロジャーがイアン・ペイスのプレイを気に入らずサンプリングが使用されたと言われていますが)このコメントからもリッチーが求めるドラマー像はリズム重視なのがよくわかります。

 

そういう意味で、チャック・バーギを気に入っているのは整合性が取れていますね。HRとは畑違いともいえるタイトでラウドさが足りないプレイは、当時の音楽性とマッチしており、「Bent Out of Shape」は名盤となりました。

 

ところが、ボブ・ロンディネリについてはよくわからないところがあります。
ショーマン系のドラマーであるボブはとにかく派手なプレイを得意としており、ドラムソロの押し出しの強さは彼なりの個性を感じさせ、コージー後の大役を見事に務めていた、と言えないこともありません。ところがリズム面において不安定なところを度々露呈しており、本来リッチーの好みのドラマーではないように思えます。
実際アルバム2枚を残しながらクビになった訳ですが、今ひとつ辞めさせられた理由が明確ではありません。(ただし当時はボブがクビになったという不確定情報が何度も流れており、ステージでリッチーがよく見せる首切りポーズがボブに向けて発せられたとのウワサが何度も繰り返されました。ほとんどの人が長続きしないだろうと想像していた。)
ところがボブ・ロンディネリをクビにしたあとの後任に、ボブの劣化コピー的ドラマーをリッチーが気に入って採用しかけ、そのドラマーが圧倒的に下手だったので他メンバーに反対された、とのエピソードから、ホントはあんまり深く考えてないのでは?と言う疑惑が生じます。
ボブ・ロンディネリのことをドン・エイリーが嫌っていたとの証言はありますが、ドンのほうが先にいなくなっているし、何で辞めさせられたんでしょうね?


コージー・パウエルはRainbowで最も重要なメンバーの一人です。
ダイナミックでメロディ感豊かなプレイはリッチー・ブラックモアのギターと非常に相性が良く、特にLiveでのバトルは凄まじいものがありました。音階に合わせたシンバルを使用したり、曲を最大限に生かすプレイスタイルは生涯ブレることはありませんでした。

ところが、リッチーのコージー評は意外と辛く、プレイを褒めたことはほとんどなかったように思います。(やはりDown to Earth のレコーディング時に食べ物でケンカしたのが響いているのか)
コージーのインタビュー記事を見てみると、それぞれの立場を考慮した大人な意見が多い気がします。「自分はこう思うけど、彼はこういう事情があったのかもね」という感じの発言ですね。
このように漢気を感じさせるコージー・パウエルはRainbow の大黒柱だったんだなあと思わざるを得ません。リッチーもインタビューで「コージーだけは辞めさせないだろうね。彼は俺より強いんだ。」と語っていたくらいなので、繊細なところのあるリッチーの精神的支柱的存在だったのではないかと推測します。