リッチー・ブラックモアは"首切りリッチー"との異名を持つほど、メンバーチェンジを頻繁にすることで有名です。その理由としては様々なものがあります。
まず、リッチーの基本的な好みですが
・ベースピック弾きが上手い。かなりのスピードでも乱れない。遊びが少ない。自分より目立たない。
・ドラム:タイム感が優れている。ドラムソロは派手好み。インプロヴァイズに強い。
・キーボード:ギターを支えるプレイができる。クラシカルなプレイができる。
・ボーカル:謙虚。曲が作れる(作詞とメロディライン) 。音を外さない。髪が長い。
といったところがあげられます。
次に辞めた理由を大別すると
・テクニカルな面でクビ:ゲイリー・ドリスコール、ミッキー・リー・ソウル
・自分から脱退:ドン・エイリー、コージー・パウエル、グラハム・ボネット
・人間的相性でクビ:トニー・カレイ、ロニー・ディオ、クレイグ・グルーヴァー
・なんとなく流れで:マーク・クラーク、ボブ・デイズリー
・他のメンバーの干渉:ボブ・ロンディネリ
・引き抜きされる:チャック・バーギ
・金の問題でクビ?:ドゥギー・ホワイト、グレッグ・スミス、ポール・モリス、ジョン・ミッチェリ
・家庭の問題:ジョン・オライリー
中には理由が複合している人もいる気がしますが、こんなものでしょうか?
これらのことを、DP時代も含めて考えると2つの事が見えてきます。
1.重要メンバーとその他に分けて考えているっぽい
ロニー時代に3頭政治といわれていたように、リッチーにとって重要なメンバーと、その他のメンバーがいたような気がします。
ロニー・ジェイムズ・ディオ、コージー・パウエル、ロジャー・グローヴァー、ジョー・リン・ターナー、デイヴ・ローゼンタル、ドン・エイリーは前者で、その他のメンバーは後者にあたります。
2.ある程度リスペクトしているメンバーとそうでないメンバーがいる
コージー・パウエルやイアン・ギランに対して、頻繁にケンカはしますがその代わり相手に対するリスペクトもあるようです。二人はリッチーと同格のキャリアが最初からあったし、性格上初対面から強気の態度で臨んでいたと思われます。
リッチーは最初からはペコペコしていた人間が徐々に尊大になることを絶対に許さないという傾向があります。ロニーやデイヴィッド・カヴァーデルにはこういうボーカル病的傾向があったため破局を迎えたようです。
犬猿の仲のイアン・ギランと異なり、コージー・パウエルがリッチーと5年間という長期に渡り何だかんだと上手くやって行けたのは、ドラム以外の音楽的な事にあまり口を出さなったからでしょうけど…