Setlist
Spotlight Kid
Miss Mistreated
I Surrender
Can't Happen Here
Catch The Rainbow
Street Of Dreams
Fool For The Night
Difficult To Cure
Power
Stranded〜Hey Joe
Death Alley Driver
Encore
Fire Dance
Maybe Next Time
All Night Long
Since You Been Gone
Smoke On The Water
言わずと知れたラストコンサートです。大阪、東京のみの短い滞在だったので、当時福岡県に住んでいた私は涙を飲んで諦めたものです。後日ヤングギター誌(この頃はネットがなかったので月刊誌で情報を仕入れるしかなかった)でオーケストラとの共演を果たしたことを知った時の悔しさは忘れられません。
はっきり言って、この日のリッチーのプレイはあまり出来が良くありません。歪みがキツイ上、何故か全編にわたってオクターバーがかかりっぱなしで音が潰れており、何を弾いているのかがわからない部分があるほどです。大阪公演ではポイントでしかオクターバーは使われていなかったので、何らかのトラブルがあった可能性はあります。(3/13の公演は未聴なので、そこにヒントがあるかもしれません。近いうちに確かめたいと思います。)音が悪ければプレイにも身が入らないのは必然で、この日のリッチーは手抜きにしか見えないプレイが頻発しているように私には見えます。
ただしこの日のリッチーの機嫌はすこぶる良く、ステージアクションの面では全力でノリノリな姿を観れるので、映像としては価値があるものです。中でも「Difficult To Cure」におけるオーケストラ共演は素晴らしい記録ですし、オールヒットといえるsetlistはこの時期だけのもので、一曲ごとが短いので軽い気持ちで観る事ができます。
ジョー・リン・ターナーの調子は1982年以降にしてはかなり良い方で、多様な曲の魅力を伝えることができています。
ロジャー・グローヴァーは相変わらずタイトなプレイです。この時期バンドを引っ張っていたのは間違いなくロジャーのベースでしょう。特にテンポの速い曲でも乱れない安定したプレイは素晴らしい!
チャック・バーギのプレイは賛否が分かれる部分ではありますが、タイトかつ機転の効いたプレイはこの時期のレインボーにピッタリハマっているように思います。
デイヴ・ローゼンタルのキーボードですが、個人的には魅力を感じません。ソロのフレーズにセンスを感じないのと、音色があまり好きでなく、バッキングプレイもリッチーのギターのフォローに終始している印象を受けます。ドン・エイリーやトニー・カレイのような花がありませんね。リッチーからの評価は高いデイヴではありますが…
この日の映像は元々東映ビデオから日本限定で発売されていましたが、権利関係が複雑だったらしく長らく廃盤となっていました。現在ではめでたく再発されていますので、いつでも観る事が可能です。