nijiken

ロックバンドRainbowを研究するブログとしてスタートしましたが、幅広い話題を取り上げたいと考え、ブログタイトルを変更しました。

包丁人味平カレー戦争編は素晴らしい

包丁人味平」は最近、再評価されつつあるマンガです。作品中クライマックスといえる「カレー戦争編」を久しぶりに読み返してみました。やっぱり何年経っても古さを感じさせない名作ですね。

 

ただ再評価されること自体は大変嬉しいのですが、その評価の方向性が"トンデモ漫画"として面白がられているのは納得いかなかったりします。

確かに包丁人味平はギミックとして「活き造りした骨だけの鯛を水槽で泳がす技」とか「ダイナマイトで肉を仕分け」や「塩だけで味つける吸い物の決め手が汗」みたいな話が沢山使われていますが、全体的にはかなり説得力のある料理にまつわるエピソードが満載な作品です。その後に登場した「美味しんぼ」や「ミスター味っ子」等人気料理漫画の雛形となったことは間違いありません。

 

特に「包丁人味平」の素晴らしいのは、「どんなに精魂込めて作った料理でも、食べる人の生活状態や体調によって旨い不味いの評価は変わってくる」という根本的真理が作品の大きなのテーマの一つとなっているところです。

一流の料理人が作った手の込んだカレーを肉体労働の後に食べても塩が足りず物足りないというエピソードを伏線に万人に美味しいと思わせるカレーを追求するという骨太なテーマを真正面から解決して行くストーリー作りは、巧妙な伏線を見事に回収していて本当に素晴らしいのひとことです。

"ブラックカレー"の正体も当時は驚きましたが、外国で同じようなことが本当にあったと聞き2度ビックリです。