nijiken

ロックバンドRainbowを研究するブログとしてスタートしましたが、幅広い話題を取り上げたいと考え、ブログタイトルを変更しました。

リフマスターとしてのリッチー・ブラックモアを考察する

ロック界のリフマスターとしては、やはりジミー・ペイジの名前が出てくるでしょうが、リッチー・ブラックモアも負けず劣らずのリフマスターです。ジミー・ペイジのリフは音楽的な幅が広いのが特徴で、その圧倒的レパートリーには圧倒されます。かなり細部まで作り上げたリフはオリジナリティに溢れた素晴らしい物が多く、間違いなくリフマスターの第一人者でしょう。

対するリッチー・ブラックモアのリフは非常にシンプルながら誰にも伝わるカッコ良さが特徴です。

シンプルで良いものを作ることの難しさ、経験したことのある人にはすぐに理解できるでしょう。

リッチー・ブラックモアチームのリフは、「自分も弾いてみたい」とギターを買う人の数をかなり増やしたのは間違いないところです。

 

1.親指ルート(orベーシストがプレイ)&パワーコードによるリフ

・All Night Long

・Man On The Silver Mountain

・Spotlight Kid

・Burn

・Smoke On The Water

・Miss Mistreated

・16th Green Sleeves

・Knocking At Your Back Door

・Kill The King

・Drinking with the Devil 

・Can't Happen Here 

・Too Late for Tears

Dead or Alive

・Mad Dog

 

俗称として4度和音リフと言われますが、3度抜きのパワーコードで構成されたリフというのが正しい表現になります。

本来パワーコード主体のロック特有の3度抜きはマイナーコードの曲でも短3度が含まれていないため、決定的な暗さを感じさせず、楽曲に少し明るい印象を与えます。しかしリッチー・ブラックモアのリフの多くは親指(もしくはベーシスト)でルート音を押さえるペダルトーンを使っているので、短3度+7thのマイナーセブンスコードを構成音として含んだ構成となっており、そこがリッチー・ブラックモアのリフの一つの特徴となっています。

 

中でもKnocking At Your Back Doorはリフのアタマが短3度+7thから始まるので他の曲とは異なる雰囲気となっています。(初めて聴いた時、新境地を開いた思ったものです)

 

何にしてもこのシンプルな王道パターンからこれだけの名曲が多数生まれているのですから、間違いなく天才ですね。

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2.単音リフ

Stargazer

・Lady Double Dealer

・Lazy

・Self Portrait

・Snake Charmer 

・Lady of the Lake

・The Shed (Subtle)

・Sensitive to Light

・Gates Of Babylon

・Black Night

・Speed King

・You Fool No One

・Anya

・Black Masquerade

・No body's Home

・Fire Dance

・No Release

・No Time To Lose

・Eyes of the World

・Lost in Hollywood

・Makin' Love

・Love's No Friend

・Danger Zone

・Rock Fever

・Starstruck

・The Unwritten Law

・A Twist in the Tale

・Hard Lovin' Woman

・Mistreated

その他多数

 

イメージとしては少ない単音リフですが、実際には非常に多いことが分かりました。

特にDown To EarthはAll Night Long以外は全て単音リフだったりします。

リッチーの単音リフの多くは開放弦を効果的に駆使したもので、ロックリフのお手本プレイといえるでしょう。

 

3.コードの3度を含めたリフ

・Call of the Wild

・Time to Kill

・Power

・Do You Close Your Eyes

・Stone Cold

・Midtown Tunnel Vision

 

数は多くありませんが、ライブの定番曲「Power」「Do You Close Your Eyes」は共にメジャーコードを用いたコードの3度を含めたリフとなっています。明るくノリが良いのでライブでは外せないナンバーとなっていました。

「Stone Cold」のようにマイナーコードの短3度を駆使したリフはリッチーにしては珍しく、当時人気絶頂だったジャーニーやフォリナーを参考にしたのかもしれません。

 

4.例外パターン

1〜3を全て含んだ曲が「Woman From Tokyo」です。

 

余談ですが、この曲についてリッチー・ブラックモアは「イアン・ギランが、ギターリフと全く同じメロディで歌い出した事」にとても驚いたと語っていました。「あとで考えたらイアンが正解だったね」とも。

私はこのインタビューを読んだ時、「そんなに珍しいことではないだろ?」と思ったのですが、考えてみたらレッド・ツェッペリンでギターリフと同じメロディで歌っている曲は直ぐには思いつきません。例えば「Smoke On The Water」であの有名なギターリフと同じメロディの歌だったらやっぱりカッコ悪い筈です。

後日、この時私が感じた違和感は、イントロとギターリフの違いだったのだという事に気がつきました。

歌からアレンジされるケースでは、イントロは歌メロから引用されるケースが非常に多いです。しかしギターをフィーチャーしたロックではリフが楽曲の根幹であるケースがほとんどであり、最終段階で付けられる歌メロがリフとなぞらせる発想は中々やり辛かったと推測されます。

やっぱりイアン・ギランはスゴイ人なんですね。

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